昨年、私のところにご本人から相談がありました。
「シルバービレッジに入居してから
息子がとってきてくれた花や、
ヘルパーさんが摘んでくれた花を絵にしていたでしょ。
それと俳句の先生にお世話になって、俳句もたくさん作れたの。
それが本に出来ないかしら？
９０歳になって恥ずかしいけど、夢は叶うかしら？
家族に渡して今こんなことをやっているのよ。
こんなこと考えているのよ。
て、「証し」みたいなものね。
手伝ってくれませんか？」

「喜んでやってみましょうよ」ということで
今回の自主出版プロジェクトが始まりました。

ご家族も協力してくださり、ご本人の俳句、挿絵をレイアウトしてくださいました。
そのデータを製本用に整理し業者と打ち合わせを繰り返し
２カ月くらいかけて完成し、本年２月１０日に本が届きました。

箱を開けるのに、私自身が緊張しました。
箱の中の包みを開け、本人が出来上がった本を目にした途端。
涙が出ていました。「ありがとう、この年になって叶う夢があると思わなかった。」
私自身、最近涙もろいのか目頭が熱くなりました。

今回製本に協力してくださったブイツーソリューションの担当者も
たまたま福祉の勉強をした方で、丁寧にご指導していただきました。

Writer：田中 昇