2010年9月 記事一覧

  
朝の出勤途中、こんな所にモアイ像が…
と思ってみたら橋桁でした~( ̄▽ ̄)
影でモアイ像に見えるみたいです~
雨の日と夕方は見えなくなってしまうんですよ(^○^)

Writer:多々井 優里

*この物語はフィクションであり、物語に登場する人物・団体等
は全て架空のものであります。

第18話 シゲさんの入院ということ ③

   《 医療総合センター 》

   ガチャ。
  「――30番目でお待ちの方、どうぞ」
  
  「――あ、平さん、呼んでますよ、30番ですって」
  「え?あ、本当だ。では森さん、お言葉に甘えて、さきに行かせて戴きますよ」
  「どうぞどうぞ」
  「では」
  「お待たせ致しました。整理番号を拝見させて戴きます。―――有難うございます。
   それではどうぞ、行ってらっしゃいませ」
  「は、はあ…」
   ガチャ。

  「あら、平さん、お忙しいところ、どうもすみません」
  「あ、奥様、いえいえ、かえって遅くなってしまい申し訳ございません。留守さんの
   具合は如何がですか」
  「ええ、お蔭様で順調です。お母さん、平さんがいらっしゃいましたよ」
   平さん、ありがとうね。
  「留守さん!ああ、お元気そうで、少し安心しました。顔色もよさそうですね」
   いたって元気です。
  「お手伝いのクミさんに、救急車で搬送された、てことしか聞いてなくて。奥様は
   ずっとここで寝泊まりなさっているとか」

  「ええ、ここは面会用のベッドもお風呂もついてるし」
  「で、診断は何だったんですか?」
  「ええ、便秘でした」
  「へ?」
   ………。
  「便秘です」
  「は…はあ…」
   は、恥ずかしい…
  「土曜日の夜に急にお母さんが、お腹が痛いって言いましてね、で、
   主人が出張でいなかったものですから、相談もできず、そしたら、クミちゃん
   が救急車を呼んだほうがいいって言うもんですからね」
「はあ…」
  「救急隊の方も、これは様子みましょうって言ったんですけど、クミちゃんがなんか
   言ってしまったらしく」
  「クミさんが何と…」
  「まあ、色々と…」
   息子の名前を出しちゃったのよ、これが。
  「それで、こちらに入院することになったの」
  「そうだったんですか…そしたら、ご退院もすぐですね」
  「ところがそうではないのよねー」
  「便秘なのに、すぐにご退院できないんですか?」
  「ええ、院長先生が色々と全身の検査をするとかで、何でも粗相がないように、と」
  「へー、熱心な先生なんですね。良かったですね、留守さん」
   院長先生も息子の名前聞いてしまったからね。
  「それはそれは熱心ですよ。朝昼夕は毎回、回診にいらっしゃいますしね、ほら、
   白い巨塔みたいにゾロゾロと先生方がいらっしゃるんですよ」

  「へー」
   私は恥ずかしいです、なにしろただの便秘ですから…。
  「まだしばらくここにいるようです」
  「そうでしたか、あ、いやでも、ホッとしました、たいしたことなくって」
  「ええ」
   便秘ですから。
  「それにしても奥様、すごい花の数ですね、まるでフラワーパークのようですね」

  「そうなんですよ、もうここには入りきらないから、ここの看護婦さんたちにあげて
   るんですけど、それでもおっつかなくて」
   コンコンコン。
  「はい」
   ガチャ。
  「いかがですかあ、留守様、ご気分は」
  「あ、院長先生」
   また来た。
  「検査の結果も順調ですよ、MRIもCTの検査も全く問題ありませんでした」
  「そうですか、良かったわね、お母さん」
   だって便秘ですから…。
  「ええ、留守様が全く憂いなく、ご自宅にお帰りなられるよう全身全霊をかけて
   頑張っております!」
  「有難うございます」
  「ところで…、今日ご子息の方はいらっしゃる予定はありますか…」
  「主人ですか、ええ、主人は、仕事が終わってから、まっすぐこちらに来ると言っ
   てました」
  「そうですか、そうですか、あははは……で、何か私どもの病院のことを仰ってい
   ませんでしたか?」
  「え、ええ、とてもいきとどいた病院だと申してました」
  「そうですか、そうですか、あははは。私ども、患者様に対しておもてなしの精神
   で行っております!奥様、ホスピタルの語源はもともと、ホスピタリティー、つ
   まり、おもてなし、という意味なのです!私どもはそれを実践しております、はい!」
  「え、ええ……」
  「留守様、今日のメニューは、ホテルオークラじきじきのスペシャルメニューにしま
   しょう!」
   は?

  「あ、院長先生、そ、そこまでして戴かなくても、お昼も、3時も、コックさんが
   いらっしゃって、色々して戴きましたので」
  「そうですか、そうですか、あははは。いえ、うちの専属のシェフでして、帝国ホテ
   ル経験者なんですよ、そうでしたか、お楽しみしていただけましたか」
  「ええ、でも、さすがにお昼に、北京ダックは食べられませんでしたけど…」
  「あははは、雰囲気です、雰囲気、あははは」
  「それと、あれも、もういいと思うんです」
  「何でしょう?」
  「夜になって、バーテンダーさんがいらっしゃいますでしょ、カクテル作っていただ
  いても、母も主人も私もお酒飲まないですから…」

  「あ、そうでしたか、それは大変失礼致しました!では、今晩は、板前を呼んで
  寿司パーティーに変更いたしましょう!」
   いえいえ、そうではなくって、そっとしておいてほしいんですけど…。
  「え?いえいえ、あのう…」
  「そうですね、そうしましょう!――それに今晩は夏の終わりに中庭で花火もやりま
   すので、是非、ご堪能してください!」
  「え、ええ…」
  「あははは…で、ご子息は、何時頃、いらっしゃいますか?できれば、それに花火を
   あわせましょう!ね!パアッーと。あははは」

ご入居者のご家族の方が、ご好意で、施設裏の池の周りに
ゼラニウムを植栽して戴きました。来年になると、綺麗に咲くとのこと。
大切に育てていきたいと思います。有難うございました。

Writer:高水 直人

玄関周囲の花壇ですが、秋らしく、全て植え替えました。
まだまだ残暑が続きますが、秋はもうすぐそこですね。

Writer:高水 直人

先日、細い道で車を走らせていた時です。
随分庭の広いお宅を通り過ぎようとしたところ、
最近疲れているのでしょうか…。庭に動物がっ!!
慌ててバックして確認すると、なんと作り物ではありませんか!
象とキリンの親子、かなりよく出来ています。
なんでまたこんな物があるのでしょうか。。
近くに主がいなかったので伺い知る事はできませんでしたが
とんだミステリーに遭遇しました。

Writer:荒井 雄司