2010年5月 記事一覧


利用者様宅訪問途中、川沿いの道を自転車で通っていると・・


ふと聞こえる川の音や鳥の声、そして新緑の色にうっとり見とれ・・・
元気を貰いまた、自転車をこぎ始めるのでした。

Writer:多々井 優里

月に一回のスペシャルランチ!今月は、お好み寿司をご提供しました。
職員  :「何がよろしいですか?」
入居者 : 「マグロ、マグロ」
職員  :「サーモンとかエビとかいかがですか?」
入居者 :「マグロ無いの?サーモンは好きじゃないんだよな。」
と、誰もがマグロ・マグロ・マグロ・マグロ・マグロ・・・・・・・・・・・・
他にも、エンガワ、ホタテ、イカ、ヒラメ、エビ、アナゴ、タマゴ、サーモン
かわいそうに、マグロが居たばっかりに。
一番惨めなのが「イカ」・・・・とても柔かかったんですよ。
でもイメージが『硬い』なんですよね。
当日出勤の職員は得でしたね・・・

さて、前回の「柏餅お持ち帰り事件」の真相が・・・今、解き明かされる!!
草もちのお持ち帰りも確認されました。1パック(5個入り)
さあ、答えは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
柏餅お持ち帰りパック数は   総合計15パック(職員分含む)
(したがって 15パック×5個=75こぉぉぉぉぉぉ・・・・・・・・・・)
だから大食いの施設って言われるんですよ・・・少し加減すれば良いのにぃ

Writer:田中 昇

端午の節句、シルバービレッジ西東京ではシュラスコをやりました。
大きなお肉をぐるぐる回して、焼けたお肉を食べました。
柔らかくて、皆さん美味しいとおっしゃっていました(^0^)v

Writer:渡邊 知子

風薫る五月になりました。
施設の周囲も、新緑の季節を迎えましたね。
過ごしやすく、ご入居者の皆様も、そんな爽やかな
風に誘われて、お散歩しています。

Writer:高水 直人

*この物語はフィクションであり、物語に登場する人物・団体等は
 全て架空のものであります。

となりの芝が青く見える・・・
  近くを捨てて遠くに求める・・

作:なおとっち

第10話 留守家の人々ということ

   ガチャ
  「ただいま」

  「お帰りなさいませ、旦那さま。奥様、旦那さまがお帰りなさいました」
  「あなたお帰りなさい。今日は早かったのね」
  「ああ、珍しくね。たまにはこういう日がないとな」
  「そうね」
  「お母さん、今戻りました」
   お帰り。いつもいつもご苦労さま。
  「今日はデイの日だったんですか」
   今日は水曜日だから違います。
  「旦那さま、今日は水曜日ですので大奥様は行ってらっしゃいません」
  「ああ、そうか、はは、近頃曜日の感覚がなくなったよ」
  「まあ、旦那さまがですか、アハハハ。―――お茶、どうぞ」
  「ああ、ありがとう。いや、クミちゃんね、こう毎日忙しいと自然にそうなってくる
   もんだよ、あははは」
  「デイサービスといえばね、あなた」
  「ん、どうした?」
  「ええ、先週お母さんがデイサービスに行ったときにね、これを貰ってきたの」
  「ん?手紙か」

   ああ、それね。
  「手紙といいましょうか、とにかく読んでみて」
  「うん、えぇと、なになに。前略、愛しい、留守シゲ様へ。ん?なんだこりゃ?」
  「いいから先を読んでくださいな」
   私は読まれたくないんですけど。
  「ああ、分かった。えぇと、先だっての私の歌は如何だったでしょうか、あの歌は
   シゲさんの愛くるしい瞳、長くて綺麗な黒髪、すらっとした鼻、一瞬で私の心を
   迷わす、その唇―――な、なんなんだ、これ?」
  「でしょ?」
  「こ、これ、ラブレターか」
  「ええ」
  「ほー!す、すごい」
  「あら、すごいって、あなた、そう暢気なこと言わないでください」
  「でもなー、あははは、お母さん、やるじゃないですか」
   私は別に…。
  「それだけならいいですよ。でもお母さんに聞いてみたら、毎週なんですって。
   それとクミちゃんがね、最近お母さん宛ての手紙が届いているって言うの」
  「ええ?本当か、それ?」
  「そうよ、ほぼ毎日送られてくるから。それも合わせると50通はいくわね」
  「50通!何で住所が分るんだ」
  「デイサービスの時にお母さんがその方に住所を教えてしまったのよ」
   まさかこんなことになるとは思っていませんから。
  「そうか、で、その方って、どういう人なんだ」
  「この間、高村主任さんに聞いたのね、そしたら、土曜日に来る人らしいのよ」
   そうです。
  「名前は、えぇと、あ、これか、長宗我部 公親、ちょうそかべ きみちか て言う
   のかな、ね、お母さん」
   はい。
  「ふーん、まぁでも、いいんじゃないか、高齢者の恋愛の話しはよく聞くからな」
  「旦那さまのお勤めのところでも、そういう話し、話題になることあるんですか」
  「珍しくはないよ、審議会の雑談で、たまに出るから」
  「へー、お役人の方でもそんな話しするんですか、ちょっと意外です」
  「あるよ、役人でも世間の話題についていかないといけないからな」
  「あなた。あなたは厚生労働省のトップなんですよ、そんなのでいいんですか」
  「そうですね、旦那さまは、事務次官さんですものね」
  「それを言われると弱いがな、あはは」
  「もうあなたったら。私だってこれだけなら、仕方ないかなとも思いますけど、でも
   ね、これは…お母さん、話すわね」
   どうぞ。
  「どうした?」
  「さっき、高村さんに聞いたって言ったじゃない。その時に別の話も聞いたのよ、そ 
   の人、長宗我部さん、その人からね、お母さん、プロポーズされたの」
  「な、なんだってー!!」
  「びっくりでしょ?」
  「あ、あ、あははは、ま、まさか…。冗談だろう、ね、お母さん、ね」
 私に聞かれても。
  「そうなのよ、だから、そんな暢気なこと言ってられないのよ」
  「いやーでも、本気ではないでしょ、さすがに、ね、お母さん」
   だから私に聞かれても。
  「でも、旦那さま、本気だからこそ、この50通のラブレターじゃないんですか」
  「うーん…」
  「ね、そうなるでしょ」
  「そうなったら、その、ちょうそか…べ、さん、が旦那さまのお父さんになるってことですよね」
  「向こうも直系だったら、どうするの、何でも四国の家柄らしいわよ。それに、名字
   はどうするのよ、その人が婿に入るわけではないし、そしたら、私たちの名前は、
   ちょうそかべ てなるのよ」
  「あははは、そうだな、そうなると、チョーさんって呼ばれそうだな、あははは」
   実際に、その人、チョーさんて呼ばれてます。
  「電話とるときも今までは『はい、ルスですが』て言っていたのが、今度は、『はい、
   チョウソカベですが』てなりますね、何だか舌かみそう」
  「そうよ、クミちゃん。今まで2文字だったのが、何でよりによって、6文字なのよ」
  「それに奥様、大変ですよ、免許証や保険証も変更しないといけませんから」
  「まあ!そうだったわ!あら、大変!どうするのよ、表札だって彫ってあるし」
   いや、何でそこまで話が膨らむんですか。
  「奥様、結婚式は神社ですか、教会ですか、それとも…」
  「そもそも向こうの宗派は何かしら、それに四国でやるでしょうから…」
  「そしたら奥様、鳴門海峡をご見学して行ったらどうですか」
  「そうね、どうせ四国に行くなら、それは外せないもんね、そしたら讃岐うどんもね」
  「そうですよ、奥様。やっぱり本場の讃岐うどんは外せないです」
  「それに、四国といえば坂本龍馬ね、福山雅治でしょ、彼が居たりして!」
  「きゃー奥様、どうしましょう!」

  「かっこいいわねー彼って。そしたら彼と一緒に神社仏閣を廻りたいわ!」
  「歴女ですものね、奥様は」
   もうあなたたちからは完全に長宗我部さんは消えましたね。
  「お風呂行ってくるよ、明日も早いんで」
  「あなた行ってらっしゃい。―――それと、瀬戸内海もいいわねー、淡路花博も寄っ
   てみたいわねー、それと…」
  「旦那さま、追い焚きしなくても大丈夫です、さきほど沸かしたばかりですので。で、
奥様、淡路と言ったらあれですよね、えーと……」