今月の16日から選択メニューを変更いたしました。
秋冬メニューはざるそば、たぬきうどん、焼きそば
おでん、カレーライス、ほっけの干物、オムレツの7品です。
シルバービレッジでは通常メニューがお好みではない時は
これらの選択メニューから自由に選べるようになっておりますので
お好みのものをお召し上がり下さい!!
Writer:鈴木 恵介
*この物語はフィクションであり、物語に登場する人物・団体等
は全て架空のものであります。
となりの芝が青く見える・・・
近くを捨てて遠くに求める・・
作:なおとっち
第24話 平さんの披露宴ということ
―― 続きまして、新婦のご友人を代表しまして、○○様より…… ――
「奥様、新婦の方、可愛らしい方ですねー」
「そうねークミちゃん。平さんもやる時はやる男なのよねー」
「ふふふ。いいなー、私も着てみたいなーウエディングドレス。ふー」
「あら、そう言えばクミちゃんの浮いた話、聞いたことがないわねー」
「あ、ひどいなー奥様。私だってあるんですよ。実はこのあいだ……」
「おおーい!ボーイさーん!酒がなくなってしまったぞー!」
「カラオケはまだですか!そろそろ歌いたいんですけど」
「こらーチョー!まーた≪天城越え≫だろーよ!よせよせ、もう聞きあきたわい!」
「違います!今回は新作です!」
「いいんだよ、お前の歌なんか。それより、ボーイさーん!久保田はまだかー!」
………。
「………」
「………。お、奥様、あ、あのテーブルの方たちは…」
「た、たしか、お母さんの行っているデイサービスの人たちじゃないかしら。ね、
お母さん?」
………。し、知りません…。
「え!大奥様のお知り合いの方たちなんですか!」
とんでもない!
「あの顔の真っ赤な方が、ええと…席の通りだとすれば…室井さんという方だわね、
そして、その隣で青い顔している方は…長、長宗我部さん?長い名前だわね…、
で、その横の渋めの方が…紅さん…という方だわね」
「≪なごみの森≫さんの利用者さんなんだー。へー、大奥様、面白い方たちが
いらっしゃってるんですね」
面白い方というより、変わっている方たちです。
「高村主任さん、中村さんも、ほら同じテーブルだわ」
「高村主任さんは、挙式の時にブーケを受け取ったんですって。いいなー」
「ふふふ。クミちゃんもいずれ幸せがきっと来るわよ」
―― 有難うございました。それではここでスペシャルゲストをご紹介致します。
新郎はさきほどご紹介しました通り、介護支援専門員として地域の介護を
要する方のために日々仕事をしております。実はその利用者様が本日
披露宴にいらっしゃっています。利用者様を代表しまして、室井源次郎様より、
祝福のお言葉を頂戴したいと思います。それでは室井様、どうぞ!」
ブッ!
「あ、大奥様、大丈夫ですか!」
ふ、吹き出してしまった…。よりによって…あの男にしたの?
「奥様、さっきのお酒くれー!て言ってた方ですよね?」
「そ、そうね…平さんもチャレンジャーだわ…」
私のかわりが…あの室井ジイとは…
『ええー。た、ただいまマイクのテスト中!ええー、実はじゃ、本当はワシではなく、
ほら、あそこにおる、留守シゲさんが、このー、今回結婚した、ええー、平さんの
担当の利用者なんじゃが、まー今回、ワシが抜擢されたからには、理由が
あるんじゃ。それは、戦時中に遡る!あれは、そう、満州に……』
………。
( 30分経過 )
『…であるからにして、ここからは、ワシが祝いの一曲を僭越ながら披露させて
戴きます。では、ミュージックスタート! ♪ さーらーばーラバウルよー、まーた
くるーまーでーはー ♪』
「お、奥様、あ、あの歌は?」
「うーん…なにかしらねー?」
ラバウル小唄です。
「奥様、昔の歌っぽいですね」
「そうね…」
古いです。いい曲ですが、ここで歌う歌ではないです。
―― あ、有難うございました。と、とても威勢のいい歌で新婚の門出には
ぴったりの歌でした。えー続きまして、新婦…… ――
「私も新曲があるんです。ぜ、是非歌わせてください!」
『こらー!チョー!お前まで歌う必要はないわい!』
「ず、ずるいですよ、私だって。≪天城越え≫ではないですから!それでは
ミュージックスタート!」
『こら、何を勝手に人のマイクを…』
『 ♪ 別れたーひとにーあーったー、別れたー渋谷でーあーったー 別れたー
ときとおんなじー、雨のーよーるーだーったー ♪ 』
「なんちゅう歌歌うんじゃ、チョー」
「お、奥様…」
「………」
や、やってしもうた…チョーさん…
『 ♪ やーっぱりー、わすれーらーれーなーいー、おわ!』
紅さんだ!
『詫びといってはなんですが、わしが、一曲歌わせていただきやす』
「お、奥様…こ、こんどは偉くこわもての人が出てきましたね…」
「クミちゃん、平さんの顔がひきつってきたわ…」
もう…知らんよ…。
( 最後まで歌いきる )
―― あ、あ、あははは…あ、ありがとうございました…さ、さて気をとりなおしま
して…おわ!――
『どうーもー!この度は平さん!おめでとうございます!あ、申し遅れました、私、
≪すこやか福祉用具≫でお馴染みの森 新太郎でございます!』
「あら、森くんですよ、奥様。」
「そうねー、手にもってるのは…」
いやーな予感…。
『ここで、本日ご両人の門出を祝い、スペシャルプレゼントをいたしたいと思います!
ジャジャーン!』
「つ、杖ですね」
「そ、そうね…あれでなにするのかしら?」
あ!平さんが倒れた!
『実はですねー、この杖はただの杖ではありません!な、なんと、この杖は!』
「お、奥様!平さんが!」
「だ、誰か、手をかしてあげて!新郎が倒れましたよ!」
「大丈夫かー、新郎!チョー!手をかせー!」
「キャー!!」
た、平さん…いつまでも…末永くお幸せに…
現在、私は八王子市の第5期介護保険事業計画の
策定委員に参加させて戴いております。
4月22日から始まり、来年1月27日に終了予定の
計11回の会議があります。
メンバーは市の方が事務局の医師、サービス事業所、包括、
地域の関係者、一般公募の方などなどさまざまな背景の方が
集まり、来年からはじまる5期の計画について議論しております。
書類も、こーんなに事前に読み込まなくてはいけません…
八王子市が今よりもさらにいい地域になれるよう
ケアマネの視点から発言させて戴いております。
今回でちょうど中間ところにきて、段々と骨格が
ぼやーっと見えてまいりました。
ちなみに、一般の方でも傍聴できますので
したい方は八王子市介護保険課まで
問い合わせてみてください。
本日は3名の方がきておられました。
Writer:高水 直人