白寿もいるぞ!・・・・・・・・・・
今年の長寿のお祝いは11名の表彰をしました!

ひょっとこ、おかめ・・・・・・・・・
職員の出し物は見ての通りひょっとこ&おかめ。
ひょっとこは、プロですがオカメも上手でしたよ。

お昼ご飯・・・・・・・・・
いつものご飯です。
と言いたいところですが、このような食事を毎日取っていたら
長寿のお祝いも出来ないですよね。
特別だから美味しいのです!

Writer:田中 昇

*この物語はフィクションであり、物語に登場する人物・団体等
 は全て架空のものであります。

第19話 長宗我部さんの女性論ということ 

  「きゃあー主任!また室井さんが、室井さんが!」
  「ええ!またー!中村さん、どこ、どこ!」
  「こっちです、主任!」
  「あ!室井さん!ダメですよ、長宗我部さんをヘッドロックしちゃー!」

  「アイタタタタタ」
  「こりゃ、チョー、まいったか、こりゃ」
  「室井さん、離れて。―――もう、何があったんですか」
  「オーイタタタタタ」
  「ふん、例によって例じゃよ。うるさいったらありゃしない、ふん」
  「え?あ、じゃあ、またあの短歌を詠んでいたんですか」
  「そうじゃよ、まーったくうるさいったらありゃしない。なーにが、≪君恋し…≫
   だ、お前はそれしか言えんのか、アホたれ」
  「………」
  「いいじゃないですか、別に誰に迷惑かけている訳ではないんだし」
  「俺は迷惑じゃよ、聞きたくもない俳句なんか!」
  「……短歌です……」

  「な…なにをー、こいつ、口が減らんやつじゃ!」
  「アイタタタタタ」
  「室井さん!だからダメですって!んもう、室井さんも室井さんですよ、いいじゃ
   ないですか、歌を詠むくらい、そんなに怒らなくても」
  「ふん、こいつが女たらしじゃからよ」
  「え?どうしてです?」
  「こいつは、米田のばあさんと付き合っているにもかかわらずだ、まーだ、留守さん
   をあきらめきれん。いいか、チョー!二股かけよう、なんて男の風上にもおけん」
  「そ、そうなんですか……長宗我部さん…」
  「い、いえ、私はただ、自分の気持ちを正直に女性に伝えているだけです」
  「………」

  「これは罪ですか、高村主任さん。女性に愛を伝えることは罪なんでしょうか」
  「い…いえ…そんなことは…」
   「齢(よわい)を重ねても、女性を好きになることは罪悪なんでしょうか、あの
   トルストイもそんなことを言いましたか?」
  「え?ト、トルト……スイ?」

  「トルストイです。例え副腎ホルモンが減少したとしても、私という、こころが
   それを超越しているんですよ、そして愛が生まれるんです!」
  「え…ええ…」
  「な?こいつ、おかしいだろ」
  「モーパッサンの≪ 女の一生 ≫を読みましたか?」
  「モー…パスタ…?」
  「モーパッサンです!」

  「い、いえ…あ、ははは、私は本が苦手で…はは」
  「ダメです!」
  「え?」
  「ダメですよ、それじゃー!女でこの世に生まれながら、くっー!嘆かわしい!」
  「は、はあ…」
  「な?段々腹が立つじゃろ、この男には」
  「石川さゆりですよ!」
  「へ?」
  「石川さゆりです!知ってますか!」

  「は、はあ…知っていますけど…な、なんか唐突すぎて…」
  「なんだこいつ、また訳の分からんことを言い始めたぞ」
  「♪隠しきれーないー移り香がー、いつしかあなーたにー、浸みーついたー♪」
  「今度は歌いだした!」
  「♪誰かに盗らーれるー、くーらいならー♪はい!」
  「え?」
  「主任さん、この次!」
  「え…ええと…」
  「♪あなたをころーしてーいいーですーかー♪でしょ!」
  「は…はあ…」
  「こいつ、結局自分で歌いきりやがった」
  「≪ 天城越え ≫です!」

  「え、ええ、それは知っていますが…」
  「女の情念を歌っています」
  「そ、そのようですね…」
  「情念はありますか?」
  「じょ…情念というのは…どうも私には…」
  「私にはあります!」
  「お、女の情念が…ですか…」
  「あるというか、分かるんですよ、私には」
  「は…はあ…」
  「主任さん、こんなバカと関わるだけ時間のムダじゃよ、ほれ、もう送迎の時間
   じゃろに、準備せんでいいのか」
  「あ、そ、そうですね、準備に行かないと。長宗我部さん、楽しいお話しをありがと」
  「訓練されておるねー、さすが主任さんになると。あんたのほうがよっぽど偉いぞ」
  「高村主任さん!まだです、まだですよ、これからが核心なんですよ!」
  「これ、チョー。お前みたいなのに付き合っている暇はないんだって、主任さんは」
  「ここからなんですよ、留守さんも米田さんも、私に恋焦がれる理由は!」
  「は?お、お前、なんちゅう解釈してるんだ、おめでたい奴だ…」
  「あ、あははは、長宗我部さん、有難うございました。また続きは来週聞かせて
  下さいね。とてもためになりました」
  「高村主任さん、独身でしょ。なぜか分かりますか?」
  「え?」
  「主任さん、チョーにヘッドロックしていいなら、いつでも合図をくれ」
  「一体なぜか?ご自分で問いかけたことありますか?」
  「と、とくには…」
  「でしょ!だから今もって独り身なのです!」
  「は、はあ…」
  「いつでもいいぞ、ヘッドロックする準備はできてるぞ」
  「その答えは、私が知っています」
  「あ、いえ、私はただ単純にまだ独りのほうが楽だからと、それだけなんですけど…」
  「違います!」
  「へ?」
  「私には分かります。その答えは!」
  「いつでもいいぞ、やるか主任さん?」
  「その答えは、実はですね!」
   パチ(高村主任のウインク)
  「こりゃーチョー!」

  「あ!アイタタタタタタ!アイタタタタタ!」
  「さ、送迎の準備に行ってこよっ」

文字の美

2010年9月24日(金) | こちら在宅福祉部です!

一筆がきを50年続けたご利用者様の作品です!
とても奥が深く、墨の付けた量や心理状態などで変わり
二度と同じ作品は出来ないそうです。

Writer:中井 紫鶴

  
朝の出勤途中、こんな所にモアイ像が…
と思ってみたら橋桁でした~( ̄▽ ̄)
影でモアイ像に見えるみたいです~
雨の日と夕方は見えなくなってしまうんですよ(^○^)

Writer:多々井 優里

*この物語はフィクションであり、物語に登場する人物・団体等
は全て架空のものであります。

第18話 シゲさんの入院ということ ③

   《 医療総合センター 》

   ガチャ。
  「――30番目でお待ちの方、どうぞ」
  
  「――あ、平さん、呼んでますよ、30番ですって」
  「え?あ、本当だ。では森さん、お言葉に甘えて、さきに行かせて戴きますよ」
  「どうぞどうぞ」
  「では」
  「お待たせ致しました。整理番号を拝見させて戴きます。―――有難うございます。
   それではどうぞ、行ってらっしゃいませ」
  「は、はあ…」
   ガチャ。

  「あら、平さん、お忙しいところ、どうもすみません」
  「あ、奥様、いえいえ、かえって遅くなってしまい申し訳ございません。留守さんの
   具合は如何がですか」
  「ええ、お蔭様で順調です。お母さん、平さんがいらっしゃいましたよ」
   平さん、ありがとうね。
  「留守さん!ああ、お元気そうで、少し安心しました。顔色もよさそうですね」
   いたって元気です。
  「お手伝いのクミさんに、救急車で搬送された、てことしか聞いてなくて。奥様は
   ずっとここで寝泊まりなさっているとか」

  「ええ、ここは面会用のベッドもお風呂もついてるし」
  「で、診断は何だったんですか?」
  「ええ、便秘でした」
  「へ?」
   ………。
  「便秘です」
  「は…はあ…」
   は、恥ずかしい…
  「土曜日の夜に急にお母さんが、お腹が痛いって言いましてね、で、
   主人が出張でいなかったものですから、相談もできず、そしたら、クミちゃん
   が救急車を呼んだほうがいいって言うもんですからね」
「はあ…」
  「救急隊の方も、これは様子みましょうって言ったんですけど、クミちゃんがなんか
   言ってしまったらしく」
  「クミさんが何と…」
  「まあ、色々と…」
   息子の名前を出しちゃったのよ、これが。
  「それで、こちらに入院することになったの」
  「そうだったんですか…そしたら、ご退院もすぐですね」
  「ところがそうではないのよねー」
  「便秘なのに、すぐにご退院できないんですか?」
  「ええ、院長先生が色々と全身の検査をするとかで、何でも粗相がないように、と」
  「へー、熱心な先生なんですね。良かったですね、留守さん」
   院長先生も息子の名前聞いてしまったからね。
  「それはそれは熱心ですよ。朝昼夕は毎回、回診にいらっしゃいますしね、ほら、
   白い巨塔みたいにゾロゾロと先生方がいらっしゃるんですよ」

  「へー」
   私は恥ずかしいです、なにしろただの便秘ですから…。
  「まだしばらくここにいるようです」
  「そうでしたか、あ、いやでも、ホッとしました、たいしたことなくって」
  「ええ」
   便秘ですから。
  「それにしても奥様、すごい花の数ですね、まるでフラワーパークのようですね」

  「そうなんですよ、もうここには入りきらないから、ここの看護婦さんたちにあげて
   るんですけど、それでもおっつかなくて」
   コンコンコン。
  「はい」
   ガチャ。
  「いかがですかあ、留守様、ご気分は」
  「あ、院長先生」
   また来た。
  「検査の結果も順調ですよ、MRIもCTの検査も全く問題ありませんでした」
  「そうですか、良かったわね、お母さん」
   だって便秘ですから…。
  「ええ、留守様が全く憂いなく、ご自宅にお帰りなられるよう全身全霊をかけて
   頑張っております!」
  「有難うございます」
  「ところで…、今日ご子息の方はいらっしゃる予定はありますか…」
  「主人ですか、ええ、主人は、仕事が終わってから、まっすぐこちらに来ると言っ
   てました」
  「そうですか、そうですか、あははは……で、何か私どもの病院のことを仰ってい
   ませんでしたか?」
  「え、ええ、とてもいきとどいた病院だと申してました」
  「そうですか、そうですか、あははは。私ども、患者様に対しておもてなしの精神
   で行っております!奥様、ホスピタルの語源はもともと、ホスピタリティー、つ
   まり、おもてなし、という意味なのです!私どもはそれを実践しております、はい!」
  「え、ええ……」
  「留守様、今日のメニューは、ホテルオークラじきじきのスペシャルメニューにしま
   しょう!」
   は?

  「あ、院長先生、そ、そこまでして戴かなくても、お昼も、3時も、コックさんが
   いらっしゃって、色々して戴きましたので」
  「そうですか、そうですか、あははは。いえ、うちの専属のシェフでして、帝国ホテ
   ル経験者なんですよ、そうでしたか、お楽しみしていただけましたか」
  「ええ、でも、さすがにお昼に、北京ダックは食べられませんでしたけど…」
  「あははは、雰囲気です、雰囲気、あははは」
  「それと、あれも、もういいと思うんです」
  「何でしょう?」
  「夜になって、バーテンダーさんがいらっしゃいますでしょ、カクテル作っていただ
  いても、母も主人も私もお酒飲まないですから…」

  「あ、そうでしたか、それは大変失礼致しました!では、今晩は、板前を呼んで
  寿司パーティーに変更いたしましょう!」
   いえいえ、そうではなくって、そっとしておいてほしいんですけど…。
  「え?いえいえ、あのう…」
  「そうですね、そうしましょう!――それに今晩は夏の終わりに中庭で花火もやりま
   すので、是非、ご堪能してください!」
  「え、ええ…」
  「あははは…で、ご子息は、何時頃、いらっしゃいますか?できれば、それに花火を
   あわせましょう!ね!パアッーと。あははは」